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狭小住宅は周囲を建物に囲まれやすいもの。日当たりの良い家を建てるために、採光にこだわることも重要です。そこで、採光にこだわった狭小住宅の施工例を分析しながら、日当たりの良い狭小住宅を叶えるポイントを解説します。
北側からの採光を活かした家を建てたいと言う、施主のこだわりを叶えた家。
8坪の建築面積に大きな吹き抜けを設け、さらに2階LDKは間仕切りをカットしたワンルームとなっており、
取り込んだ自然光を部屋の隅々まで届けています。
木の温もりを活かした木造3階建てに加え、SE構法によって耐震性を高めている点も、
吹き抜けを設けた狭小住宅として重要なポイントです。
また、床下収納を効果的に使うことで、無駄のないスペース活用を実現しています。
家を建てられる面積が限られている狭小住宅では、どうしても居住空間を確保するために、地下室を作ったり、または3階建てにしたりと、縦に高い建物を選ぶことが多くなります。その上、東京をはじめとした都市部にある狭小地では、周囲を高い建物に囲まれていて日当たりが悪い土地も少なくありません。いかに各部屋への採光性を高めていくかは、狭小住宅を建てる上で重要なポイントと言えるでしょう。
狭小住宅で採光にこだわる工夫としては、以下のようなものが挙げられます。
・大きな窓や高窓を設置する
・吹き抜けや天窓を活用する
・格子状の廊下や壁、スリットを活用する
・テラスやバルコニーを設置する
・中庭や裏庭を設置する
・ドライエリアを設ける
・光ファイバーを使って自然光を取り込む
例えば、壁一面に大きな窓を設置することは、狭小住宅でなくとも採光を考えて使われる手法の1つです。しかし、仮に北側を除く三方が建物に囲まれている狭小地や、周りをぐるりと囲まれているような旗竿地であれば、なかなか各階の壁に窓を設置するだけでは採光を確保できないこともあるでしょう。
壁面に設置された窓は一方向を向いているため、自然光が入り込む時間帯は限られてきます。近隣の建物や木などの陰になると得られる光は少なく、1日を通して明るさを感じにくいこともあるでしょう。
高い位置に窓を設ける、天窓や吹き抜けを利用するなど工夫することで、家全体を自然光で満たすことが可能です。 天窓を設置すると、時間や建物の位置に関わらず自然光を取り入れられます。天気の良い日は室内から星を眺めて楽しむことも。狭小地でも注文住宅ならではの自由な設計で、家の広さを感じさせない開放感を与えてくれるでしょう。また、壁や廊下、床にスリットや格子を作っておくと、取り込んだ光は下層階まで届きます。
あえて中庭や裏庭を設置することで、そこを光や風の通り道として活用することも方法の一つです。
狭小住宅では土地面積が限られており、少しでも無駄なスペースを省いて、居住空間を確保することが重要。しかし、床下収納や階段収納といったアイデアを組み合わせることで、中庭や裏庭のスペースを確保できれば、採光・採風の面でメリットが多いだけでなく、プライバシーが守られた屋外スペースが生まれます。
その他、中庭や裏庭にドライエリアを設ければ、自然光がそのまま地下室まで届きます。そうすることで、各階のテラスやバルコニーと合わせて、全階層で自然光を取り込むことも不可能ではありません。
ハウスメーカーや工務店によっては、光ファイバーなどを活用して、自然光を室内へ取り込む方法も用意されており、狭小住宅で日当たりの良い家を目指すことは十分に可能だと言えます。
採光を優先して大きな窓や吹き抜けを作ってしまうと、気になるのが断熱性の問題です。
断熱性を考慮せずに天窓を作ったり、吹き抜けで空間をつなげたりすると、夏場の直射日光により室温上昇や、冬場になかなかエアコンが効かないと言ったデメリットも考えられます。
狭小住宅で採光性と断熱性のバランスを考えるのはとても重要。そのためには、まず土地の状況を把握する必要があります。例えば、光をどの方角からどのような角度で取り込めるか考えることでも、選ぶべき理想的なデザインは変わってきます。季節ごとの日光の入射角を計算して、夏と冬で日光を取り入れる量を調整できるように窓や軒の位置・サイズを考えて決めましょう。
もちろん、断熱材や断熱効果のある窓といった部材選択も重要です。ただし、あまりにも部材にこだわりすぎて費用がかさんでしまえば、そもそも土地代の安い狭小地を選ぶコストメリットが失われるため、注意しなければなりません。
狭小住宅では木造だけでなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート(RC)という選択もあります。実際、採光にこだわって開放的な家づくりを重視するなら、耐震性を確保するためにも丈夫な構造を選ぶのがベターでしょう。しかし、鉄骨造やRC造の家は木造に比べて費用も高くなりがちなので、まずは構造計算と採光計算によって、理想的なバランスを見つけることが先決です。
また、どうしても隣接する建物の壁との距離が取れない場合、そのままでは日当たりが悪くなることもあるでしょう。そのような場合でもセットバックを行うことで、採光に必要な空間を確保できることもあります。
その他、主に家族が時間を過ごすスペースと、普段はあまり活用しないスペースの優先順位を明確にして、ポイントごとの採光を計算することも大切です。
日当たりの良さを考えるためには、現地調査と綿密な採光計算が不可欠です。その上で様々な工夫を盛り込むことで、日当たりの良さや快適性を高められます。
また、数値上は理想的な設計ができたとしても、それが施主や家族のニーズにマッチしていなければ意味がありません。
狭小住宅の採光に関してノウハウを持ちながら、家族のライフスタイルやニーズについても考えてくれる会社を選ぶことが、東京で日当たりの良い狭小住宅を叶えるうえで最重要なポイントと言えるでしょう。
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設計工房/Arch-Planning Atelierは、狭小住宅や変形地の設計を得意とし、採光と空間利用を最大化。耐震等級2以上の長期優良住宅設計と自然素材を使った健康配慮のある家づくりで、住む人の安全と快適性を追求します。
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リバティホームは、一生に一度の家づくりを素敵なデザインで実現することがモットー。コンテストで磨かれたデザインスキルと50年以上の歴史を持ち、地域密着で借地や風の流れなどの細かい提案をしてくれる、経験豊富な建設会社です。