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建築費用が割高になってしまう狭小住宅。その内訳について解説します。
狭小住宅の場合、居住面積を確保するためには、横ではなく縦方に高くしていくしかありません。
多くの狭小住宅では、地下室を設けたり3階建ての家にしたりと、2階建ての家よりも高くなってしまいます。
3階建てにした場合、新たに構造計算が必要になるのと、階段などに使用する建材・作業工数が増えることから、建築費が高くなる要素になります。
敷地が狭いと、工事に際に十分な作業スペースを確保することができません。そのため、別途で特殊作業工賃が発生することも考えられます。
また、通常では庭や駐車場となる場所が使われる資材置き場が確保できないため、別のスペースを確保しなければなりません。
そのため、資材搬入時にその都度持ち運ぶ必要があるため、その分日数や人件費がかかってしまいます。
敷地の狭さによって、こういったロスが発生してしまうのです。
狭小住宅は、隣家との距離が近いことがほとんどです。お互いの生活音が漏れてしまうと、騒音トラブルになることもあります。
そのため、防音工事は必須になるのです。防音や遮音性の高い素材を壁材に使用したり、静音性の高い室外機を設置したりして遮音性能を高めます。
他にも、排水管や開口部の設置個所など、細かいところの対策まで行います。遮音対策を重ねれば重ねるほど費用が膨れ上がり、大きな金額になることがあるのです。
狭小地の建築で最も難しいのが、駐車スペースの確保です。駐車する十分なスペースをとるためには、2.5m×5m前後、約4坪の敷地を使います。
地価が高い都心の場合、1坪分でも大きな金額になってしまうので、費用の負担が増えてしまいます。
また、1階に駐車スペースをつくるとなると、強度のある鉄筋コンクリート住宅にしなくてはならないこともあるので、建築費が高くなってしまうのです。
建物は建築コスト同様に、面積に応じて申請費用が決まっています。わずかな面積の違いでも、金額が大きく変わることもあるので、面積が小さい狭小住宅の場合だと、その分申請や登記にかかる費用を抑えることができます。
また、固定資産税や土地計画税といった税金も同様に、安くなります。
税率は、固定資産税評価額×税率を使って決めますが、小規模住宅用地と呼ばれる200平方メートル以下の土地の場合、とても有利になるのです。
・固定資産税
小規模住宅用地―6分の1に減額した評価額×税率
一般住宅用地(200平米を超す部分)―3分の1に減額した評価額×税率
・都市計画税
小規模住宅用地―3分の1に減額した評価額×税率
一般住宅用地(200平米を超す部分)―3分の2に減額した評価額×税率※税率は自治体によって異なります。
引用:【実例紹介】狭小住宅を建てる前に知るべき7つの注意点 | 重量木骨の家(最終閲覧日2017年10月16日)
URL:https://www.mokkotsu.com/contents/dream/kyousyou/
都心部の場合だと、土地と住宅ローンの負担も大きくなりがちですが、住宅取得や維持にかかる税金を安く抑えられるのは大きなメリットです。
家づくりにかかる費用は、広さに比例するとは限りませんが小さい方が安く済み、その分素材や設備にこだわることができます。
中には10坪(33平方メートル)という極小の土地に、デザイン性の高い家を建てているケースもあります。他とは違う、個性ある家を建てられるのが狭小住宅の魅力でもあります。
狭小住宅には、明確な相場費用というのはありません。
なぜなら、一つひとつの住宅が同じ条件ではなく、敷地や使用する素材などが住宅によって異なるからです。
大まかでもいいから相場が知りたいという場合は、国土交通省が発行している統計データを参照すると良いでしょう。
新築一戸建てを建築する際の工事費や、床面積などを都道府県ごとに集計したものをデータで記載されているので、気になる方は調べてみましょう。
より詳しい相場が知りたいというなら、複数の住宅会社に見積もりをとってもらい、比較してください。
無料で対応してくれるところも多いので、気になったことは気軽に問い合わせてみましょう。